コミケお疲れさまでしたー。
みなさん 楽しめましたか?
今回の コミケレポートは多くの方が書かれると思いますので
私は 逆に過去のコミケレポートを書いてみたいと思います。
もっとも印象に残っている初参加の時を思い出しながら書いていきますね。
コミケは今回で 初参加から20年目になるのでは、と思います。
では 始まりはじまりー。(歳がばれちゃうぜ)
初めてのコミケ参加は幕張メッセだった。
高校1年の冬休み、千葉が実家の友人宅に泊まりに行っていた時の事だ。
不動産業を営む父親を持つ親友、その当時はバブルの真っ最中で
非常に儲かっている様子だった、ベンツがズラリと並ぶ本宅の
近くにある別宅に僕達はいつも寝泊まりし朝方まで騒いでいた。
クラスメイトのおよそ半分は医者や経営者、地元名士などの子供達で
大臣の娘や誰もが知る歴史上の偉人の子孫などもいた。
地元の公立中から その高校に入学した私はまったく知らない世界に
圧倒されたものだ。
中学時代はオール5に近い成績を取り いつも成績はトップクラスだったが
この高校では平均以下、劣等感に苛まれた。
恐らくこんな経験は 多くの人が経験していると今になってみれば
思えるのだが、当時の僕は相当に悩んでいたのを思い出す。
その千葉が実家の友人が
近くで漫画の凄いお祭りがあるから行ってみようぜ、と言いだしたのだ。
漫画やアニメは当時から好きであった。
別に暇だし、行こうか!と盛り上がったのだが 今から行こう、
と友人は言う。
えっ、この時間から?こんな時間にやってる訳ないだろー、と私は返す。
だから、徹夜で並ぶんだよ。
嘘だろ、徹夜で並ばないと入れないのか?
でも徹夜で並ぶとかした事無いし楽しそうだな。
だろー、じゃ、早速今から出発するぞ。
寒空の下、自転車をこぎ会場へと向かう僕達。
白い息にお互いを感じながら幕張メッセへ。
そして会場に付いた僕達、デカイ、幕張メッセ デケー!なにこの大きさ。
田舎者の自分には未知の巨大建築物だった。
ここで問題が発生、何処に並んだら良いのかが分からない。
何という無計画、言いだしっぺの友人も困り顔だ。
誰かに聞くしかないだろー、と道行く人達に聞いて
ようやく場所が分かりホッとした。
ガランと何も無いホールで雑魚寝をした、
そこにはかなりの人数の徹夜組がいて
彼らのお祭り前のワクワク感がこちらまで伝わってきた。
(当時の僕達は徹夜が悪い事だと知らなくて
本当に申し訳ございませんでした、これきり徹夜はしていません)
そして開場、僕の知らない世界がそこにはあった。
なんだろう、この胸のざわめき、皆がこんなにも活き活きと
こんなにも自由に自分を表現している。
とにかく圧倒されたという印象だ、
ラムちゃんとかあり得ねー、そんな印象しか残っていない。
そして何故か 僕達は 次回は本を作ってみようぜと
サークルの申し込み書を握りしめ 帰路についた。
そして サークルの申し込み。
何故か自分がサークルカットを描く。
確かサークルカットの用紙は2枚あり、1枚目はペン入れ時に失敗した。
そんな曖昧な記憶がある。
この時にはどんな本を作るかまったく考えていなかったので
とりあえず 当時好きだったアニメキャラのエルピー・プルを描いてみた。
郵便局でお金を振り込み、コミケット準備会へ郵送。
暫くすると この場所に当選したよ、という通知がやってきた。
思い切り 島中の場所だった。
翌日 学校で発表すると「おおー!」と友人達が喜んでくれた。
さて 改めて本を作るとなるとどうしたら良いか全く分からない。
インターネットも普及していない時代だ、
そこで 前回入手した同人誌を参考にすることにした。
何だか凄い豪華な箔押しの本もあったが、コピー本も偶然手に入れていた。
これならいけるんじゃない?と体裁はコピー本に決定。
それぞれ原稿を書いてきてね、とお願いをして暫くすると
ある友人はナディアのイラスト、私は短編小説、
もう一人の友人は ヘビメタのライブレポートと
まったくもって統一感の欠片もない原稿が集まった。
それでも 当時の僕達はこれで勝てる!と思い込んでいた。
表紙は薄黄緑の厚紙にして そこに私がまた何故かイラストを描いた。
コミケのカタログに自分の描いたサークルカットが載っているのを見て
凄く胸が熱くなったのを覚えている。
必要も無いのに何回も何回も繰り返し自分のサークルカットを見た。
そして 高校2年の夏休み、また千葉の友人宅に泊まり込みで
せっせと原稿をコピーして ホチキス止めをした。
50部ほどつくっただろうか。
実際身内で10部ほど保管用にするから40部が販売出来る数量だ。
これ売れたら良いなー、完売したら良いなーと友人達で盛り上がった。
みんな そんなことを笑い合いながら いつの間にか寝ていた。
翌日 サークルチケットをスタッフの方に渡し、
コピー本を抱えて会場に入る。
おおー、ここじゃない?と自分達のサークルが
割り振られた場所に到着する。
思い切り島中なので みんなで机の下をくぐる、
机の上に置かれた椅子の更に上に大量のチラシが置いてあった。
1冊300円の値札と共に持ちこんだコピー本を並べる。
こんなもんかな?こんなもんじゃない?というやり取りをして
椅子に座り ぼーっとする。
暫くすると両隣のサークルさんも到着、宜しくお願いします、と御挨拶。
今日は地元の友達も来るから、と友人が言う。どんな友達?
漫画好きな友達とその彼女らしい、仲良くなれるかなー?と
不安と期待でドキドキだった。
そして 遂に開場。
お客さん来ないね。
だって開場してからまだ10分くらいだよ。
そうだね。
って来たー!
この本1冊下さい、はっハイ!と思わず声が裏返りそうになる。
300円です。
うっ、売れたー。
ウソだろ、いやっほー!!夢みたいだ。
俺のエルピープルのおかげだぜ、と友人に威張る。
友人は 泣きそうな顔で無言で握手を求めてきた。
しかし そのあとはパタリとお客さんは途絶えてしまった。
そんな所に 友人の地元の友人がやってきた。
その友人の彼女を 一目見て驚愕した。
うそー! なにそのロト。
事もあろうか、地元の友人の彼女が
ドラクエの勇者のコスプレをしてやってきたのだ。
内心では あり得ねーと思いながら平常心、平常心と自分に言い聞かす。
僕の剣道の面タオルにも平常心と書かれている。
はっ、初めまして、よろしくー、とロトの勇者に
ややひきつり気味の笑顔で話しかける。
するとその勇者は なんか、ぶわー!と話し始めてきた、ひー、怖いよー。
よくよく お話を聞いているとエロ漫画家さんらしい、
週刊のエロ漫画雑誌にも原稿を載せているプロのエロ漫画家さんだった、
ウソだろー、俺の勇者ロトのイメージが。
今度載せる原稿だよ、と鞄から取り出し見せてくれたのは
赤面ものの まさしくドエロ漫画だった。
ロトの剣がー、激しいことになってやがるー!或る意味凄い攻撃力だ。
言葉が出ない、返事が出来無い、ただのシカバネになった自分。
知り合いを紹介するから一緒に来てよ、と勇者に半ば引きづれらる様に
コスプレ撮影広場に連れて行かれた。
すると あれ?なんか有名人?
次々と勇者を褒めたたえる人達が寄ってくるぞ。
そして スライムなどと一緒に笑顔で写真に撮られている自分が居た。
結果 売れたのは10冊位だった記憶がある。
でも 楽しい一日だった、
こんなにも濃厚な一日はその後の人生においてもそれ程多くは無い。
やって良かったー、何かをつくるって凄く楽しくて嬉しいことだな。
こんな事を将来 仕事にしていけたら良いな、と思えた一日だった。
そして 高校3年になった僕達。進学の事で頭を悩ました時代、
バブルが弾けた。
価値観が根底から覆される出来事だった。
まだ、自身の身でその実感を味わった訳では無いが
千葉に実家がある友人は思い切りその影響を受けた。
不動産業を営んでいた父親は身を隠し、どこに居るのか分からないと言う。
母親は知っているかもしれないが教えてくれない、と遠い目をしていた。
今回、コミケの初参加に関して書かせて頂きました。
長文になってしまいましたが ここまでお付き合い頂き
ありがとうございました!
僕の中で色々なものが崩れそして再構築された時代の出来事でした。
そして あの時 コミケに行っていなければ
違う職業に就いていたかもしれませんし、
こうしてブログを書いている事も無かったかもしれません。
それ程、自分の人生の中で 大きな影響を与えてくれた
コミケに感謝しつつ筆を置きたいと思います。
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